hobbyな人々


ロープウェイ・ゴンドラの魅力───中島 信 さん(72回卒)


 このコーナーの第2回でも紹介していただきました72回卒の中島 信と申します。今回、2018年11月6日(火)に放映されたTBS系列の「マツコの知らない世界」という番組の中で、国内のロープウェイ・ゴンドラを紹介させていただきましたので、そのお話を少しさせていただきたいと思います。

 先生方はロープウェイに対してどのようなイメージをお持ちでしょうか。ロープウェイは鉄道の仲間だと思われますか、そうではないと思われますか。
 鉄道ファンの中でも、ロープウェイは鉄道の仲間ではないと思っている方が多いようです。広い意味での法律上の鉄道というのは、一般的な鉄道の他に、路面電車、モノレール、ケーブルカー(鋼索鉄道)、トロリーバス(無軌条電車)、そしてロープウェイやゴンドラ(普通索道)、リフト(特殊索道)も含まれます。ロープウェイは索道として分類されるれっきとした鉄道の仲間なのです。

 東京都杉並区永福で育った私は、家の近くに電車の車庫(当時の京王帝都電鉄井の頭線永福町検車区、1966年廃止)があったせいか、幼い頃から鉄道が大好きでした。私は2004年(平成16年)に日本中の鉄道(JR、私鉄、地下鉄、路面電車など)の全てを乗り終えています。
 その後JRや私鉄だけにとどまらず、いろいろな鉄道の仲間に興味を持つようになり、そして最後にたどり着いたのがロープウェイでした。
 国内には、有名な観光地のロープウェイやゴンドラの他に、時刻表にも観光案内にも掲載されていないロープウェイやゴンドラも数多くあります。これらの半分はスキー場のゲレンデやスキー場連絡用に架設されたロープウェイ・ゴンドラで、その多くはスキーシーズンのみの運行です。国内の全てのロープウェイ、ゴンドラに乗るためには、必然的にスキー場に足を運ばないと達成することができません。
 スキー場での撮影の苦労は、普通の鉄道写真とは全く別次元のものでした。本来の目的でスキー場に来ているスキーヤーやスノーボーダーは、身体を動かしているのでそれほど寒さは感じていないはずです。それに対して氷点下20度の山頂駅の近くでじっとシャッターチャンスを待つのはとても辛かったのを覚えています。今までに数多くの厳寒期の鉄道写真を撮影してきましたが、スキー場での撮影はとりわけ過酷だったと思います。

 また、ロープウェイやゴンドラは、その特性上、風と雷に弱い乗り物です。悪天候に遭い、乗車のために3回4回と足を運んだ路線も少なくありません。全ての路線を乗り終える困難さは、いつも決められた時間通りに正確に動いている普通の鉄道とは比べようもありませんでした。しかもロープウェイやゴンドラは一般の鉄道に比べて情報が極端に少なく、実際に訪れてみなければ解らないことがたくさんあります。ですが何カ所も乗り歩くうちにシステムの違いやいろいろな搬器、景色の美しさなども手伝って、いつのまにかすっかりロープウェイの魅力に取りつかれてしまいました。

 少しでもロープウェイに興味を持たれましたら、ぜひ数々の個性的なロープウェイを訪問していただきたいと思います。そして、ロープウェイの魅力を、少しでも感じていただければ幸いです。

hobbyな人々8:八甲田(青森県)ロープウェイ
八甲田(青森県)ロープウェイ

hobbyな人々8:眉山(徳島県)ロープウェイ
眉山(徳島県)ロープウェイ